― 信頼性を生む構造・封止・評価の仕組み
「コロナフリートランスとは?」では、コロナ放電(部分放電)がトランスに与える悪影響と、なぜそれを抑える”コロナフリートランス”が必要なのかをご紹介しました。
今回は、弊社がどのような技術で部分放電を抑制し、高信頼なトランスを実現しているのか、そして導入にあたっての流れや適用事例についてご説明します。
1. コロナフリーを実現する3つの技術基盤
絶縁設計と材料選定
製品仕様や使用環境に応じて、絶縁距離・界面構造・樹脂の相性を総合的に設計しています。
特に「電界分布」や「電解強度(dielectric strength)」を事前に評価することで、局所的な電界集中や絶縁破壊の発生を抑え、部分放電の起点を構造的に排除します。
巻線と構造対応
巻線形状・配置・端子取り回しなどの構造要素は、すべて絶縁信頼性を意識した設計としています。
用途に応じて、複数のボビン形状や材料構成、分割構造などにも柔軟に対応可能です。
封止と処理技術
使用樹脂や構造に応じて、真空充填または真空脱泡処理を使い分け、内部の空隙や気泡を徹底的に除去しています。
真空度も製品により調整し、絶縁劣化を長期的に防ぐ構造を実現します。
2. 導入事例と期待される効果
家庭用電位治療器への適用実績
弊社のコロナフリートランスは、長年にわたり家庭用電位治療器に採用され、以下の効果を実現しています:
- 出力の安定性向上
- 動作音の低減(静音性)
- 絶縁劣化の抑制による製品寿命の延長
- 故障率の低下と信頼性向上
その他用途について
医療機器・産業機器・精密機器などへの適用も可能性がありますが、現時点での実績は家庭用電位治療器に限られており、「個別にご相談の上、対応可否を判断」いたします。
3. 導入までの流れと対応範囲
ご相談から量産までのステップ
- お問い合わせ・仕様ヒアリング
- 用途・条件に応じた図面設計
- 概算見積とご提案
- サンプル製作・評価(部分放電測定器による確認含む)
- 製品承認後、本製作へ
カスタム設計に関する注意点
小ロットから量産まで対応可能ですが、以下の場合は「別途ご相談」となります:
- 標準品以外のコア、ボビン、金具を使用する場合
- 金型製作が必要な構造
- 試作におけるCNC加工・3Dプリント、金具のレーザー加工等
関連リンク・導線設計
- ▶︎ コロナフリートランスとは?― 見えない“部分放電”の脅威と対策
- ▶︎ 試作対応について ▶︎ カタログ ▶︎ お問い合わせフォーム
